第8講課題 要約

快刀乱麻になりうるか--情報デザイン研究ノート(1)
組織や社会を成立させるものは、人や組織などの間にある「関係」、つまり「相互の影響関係」である。情報コミュニケーションといっても様々だが、今回は他のヒトの知性に働きかけるための情報の行き来に限定する。ここでいう情報とは、相手の知性に影響を与えることによって、相手の活動に変化を引き起こすものである。この目的がないものはデータであって情報ではない。また、相手の知性に影響を与えないものも同様である。私は、コンピュータの世界では、データ、情報、知識、推論の間には、次のような関係があると言い続けてきたが、これらをヒトの組織に拡張すると、
データ:ヒトが察知または認識した事実を言葉や数値によって表したもの。
情報:データを相手(自分も含む)に理解しうる形にまとめたり加工したりしたもの。
知識1:外部の刺激や環境の変化に応じて取り出せるように加工され脳に定着した情報や行動様式。
知識2:外部の刺激や環境の変化に対応する手順を記憶したもの。
以上より、情報なくして影響はなく、影響なくして組織はない。つまり、「情報ななくして、組織なし」「組織なくして、情報なし」と言える。
情報デザインとは、その変化すなわち影響を計画することであり、心正しいものと邪悪なものがある。邪悪なものは不必要であり、心正しいものこそ必要である。心正しい「情報」や「情報コミュニケーション」をもっと発展させる前向きの行動こそ必要なのではないだろうか。
情報コミュニケーションを成立させるためには相手の持つ知識に変化をもたらせなければならない。新しい知識を付け加えたり、変化させたり、間違った知識を無効にしたりする必要がある。それを簡単に可能にする手法が5種類ある。
1)例示する。
2)対比する。
3)類似を示す。
4)比喩を用いる。
5)言葉を換える。
これらをいかに駆使して伝え方を工夫するかはそのヒト次第だが、肝心なことは情報の受け手のもつ知識を見抜いて、伝えたい情報とそれらと結びつけることである。相手の知識を見抜くことで情報の伝え方を工夫できるからだ。受け手のもつ知識を見抜ければたいてい情報はデザインできるが、受け手のもつ知識を見抜けなれば情報デザインは困難を極めるのだ。
しかし、ヒトの知識を見抜くのは簡単なことではない。ましてや、未知のヒトならなおさらである。だが、未知の人でも人であればたいていは共通にもっている知識の枠組み概念がある。それはヒトそれぞれ異なっていて、見極めるのは難しい。それが的確にできるヒトは、情報デザインに優れたヒトである。



ワーマン考--情報デザイン研究ノート(2)
情報デザインを語るのに、リチャード・S・ワーマンを無視することはできない。ワーマンは、フィラデルフィアで13年間建築会社の経営に従事し、その後は「情報建築家」を自称している。情報のアーキテクチャの理解を大衆的レベルで持ち込んだことの功績はきわめて大きい。彼は著書の中で、情報を整理できるのは、結局5つの分類だけであると言い切っている。
1)位置 地図として表現
2)アルファベット(日本風に言えば50音) 順番、順序で表現
3)時間 時間軸で表現
4)分野 カテゴリで表現
5)階層 程度で表現
しかし、これは概念のメタ化・ヒエラルヒー化が不十分である。彼のつくった5分類にはまらないものが次々に発覚する。彼が発言した2000年頃には当てはまった原則がもはやほころびてしまっているのだ。私は、ワーマンの歴史的功績に敬意を払いながら、これを乗り越える知的冒険に乗り出すことにしたのである。



「ユビキタス」&「リッチクライアント」でおしまいか--情報デザイン研究ノート(3)
まずは「ユビキタス」の意味を説明する。ユビキタスとは英語(ubiquitous[ユビクィタス])で、どこにでもある、いたるところにある、偏在するという意味である。誤解しているヒトが大勢いるようだが、、「ユビキタス」はPHSのことでもないし、携帯電話のことでもない。「ユビキタス」を実現する数千もあるであろう道具の一つがPHSや携帯電話であるかも知れないし、別のものかも知れない。また、「ユピキタス」の日本の元祖と言われた坂村健 東京大学大学院情報学環教授によれば、真正の「ユピキタス」は人と事物すべての分散協調のことである。
次に現在の「リッチクライアント」の意味を説明するが、その前にthin,fat,poor,richという言葉をまず説明したい。thin,fatとはクライアント側のプログラムが軽いか重いかという違いを意味している。thinは軽く速く動作することを意味して、fatとは重くて遅いことを意味している。poor,richとは、クライアント側のプログラムの機能が貧弱か豊富かを意味している。もし、クライアント側のプログラムがこのような言葉で分類できるのでれば、thin&richは機能が豊富で軽く早く動くということだから一番いいということになる。最近では、パソコンの性能も向上し、回線速度も大きくなった。メモリもたっぷり使用できるようになると、もっとクライアントサイドの機能を充実したいという欲望が生まれてもおかしくはない。されば、ビジネスチャンスではないか、と製造元は考えた。それがリッチクライアントシステムである。軽く動く機能豊富なクライアントシステムを提供しているのがリッチクライアントシステムのメーカである。かつてたくさんあったリッチクライアントメーカーは、そのほとんどが姿を消した。しかし残ったメーカーは本物を出しているようだ。しかし、ここには、多くの欲求不満が残っている。人々が期待しているクライアントシステムは、そんなものではないのだ。情報コミュニケーションは、「ユビキタス」でも「リッチクライアント」でも終わらない、ということだけは確かである。



リッチクライアントの宣伝--情報デザイン研究ノート(4)
リッチクライアントシステムは情報デザインの一つの進化である。それなりに、意義も活用のチャンスもあるのである。
有償のもので有名どころには、アクシスソフトの「Biz/Browser」やカール・アジアパシフィックの「Surge RTE」などがある。これらは、単純反復作業がスピーディに間違いが少なく行えるようになるというものである。
「Biz/Browser」では、ファンクションキーの割当、入力エラーチェック、データの自動書式化、MS-IME自動制御設定、帳票印刷機能など、業務操作に合わせた画面が設定できる。これらは、いずれもIEでは難しいものである。
「Surge RTE」は、「Curl」のための便利ソフトという性格だが、入力画面がそのまま印刷画面となるので、帳票出力に関するプログラムを別に開発する必要はない。また、画像のように見えるものは、すべてベクタ化されていて、数字に過ぎないので、データ量が小さくて動作は速い。
マクロメディアのFlash Playerも、リッチクライアントシステムになる。しかも無料であり、利用者は増えている。
Javaユーザのためには、アプレットの遅さをカバーするJava Web Startや機能豊富なNexawebなどもある。ほかにも、この種のシステムはいろいろと流通しているし、新しい提案もあるのだ。

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